スピンカロリトロニクス

Fig. 1

ナノスケールの微小構造の輸送特性を量子力学的に理解する理論物理の基礎研究を行う。金属、半導体、絶縁体、磁性体、超伝導体からなる新しい材料、構造、およびデバイスが示す多彩な物理現象を理解できるようになるだけでなく、新しい物理現象を予測することもできるようになる。また、新しい概念・原理に基づいたナノデバイス、ナノエンジン、ナノモーターなどの新機能素子を提案することも目指している。 当理論グループは、ナノ構造内の電子の持つスピンに対する量子論を中心に研究を行っている。

Fig. 2
電子の持つ電荷とスピン、また、その流れである電流とスピン流を有効に利用し制御することを目指す研究分野をスピントロニクスと呼ぶ。ごく最近、スピンが熱流と強く結合することが明らかにされ、スピン・カロリトロニクスと呼ばれる新しい分野が生また。我々は、量子ナノ物性グループ(金研)によって発見された、スピン・ゼーベック効果の研究を精力的におこなっている。さらに、ナノスケールのバーネット効果やアインシュタイン・ドハース効果など、磁気とメカニカルな自由度が強く結びついた研究分野の開拓も行っている。